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効果を最大化!組織設計の妙

組織設計は単なる役職の配置や業務の割り振りではありません。目的は組織全体のパフォーマンスを最大化し、戦略を確実に実行することにあります。しかし、よくある失敗として、責任だけがあるが権限がない、またはその逆のケースが挙げられます。こうしたアンバランスが生じると、組織は機能不全に陥りやすくなります。

組織設計を考える際には、大きく2つのレイヤーで整理すると分かりやすくなります。

  1. 戦略実行のための機能設計(Structure):戦略を実行するために必要な機能(営業、開発など)がどのような領分で機能し、抜け漏れなく全体として効率が図れるように設計する
  2. 人の最大出力を引き出す動機づけ設計(Motivation):社員のモチベーションを維持・向上させ、成果を最大化する仕組みの設計

この2つがうまく噛み合うことで、組織のパフォーマンスが飛躍的に向上します。それでは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。


目次

戦略実行のための機能設計(Structure)

組織が戦略を実行するためには、適切な「構造」と「機能」を整えることが不可欠です。ここでは、戦略を遂行する上で必要な各機能(営業、開発、マーケティングなど)が適切に配置され、全体として効率よく機能するように設計することが重要です。

戦略に必要な機能の整理

組織の戦略に基づいて、どのような機能が必要なのかを明確にする。

  • 営業、開発、マーケティングなど、主要な機能が戦略を達成するためにどう配置されるべきか。
  • 各機能がどのように連携し、相互作用するのかを考える。

思決定プロセスの明確化

トップダウンで決めるべき事項と、ボトムアップで決めるべき事項を整理することで、組織の意思決定スピードを向上させることができます。

  • トップダウン型:素早い意思決定が可能だが、現場の実態を反映しにくい
  • ボトムアップ型:現場の声が反映されやすいが、意思決定に時間がかかる

どちらかに偏るのではなく、戦略の方向性はトップダウン、現場の業務改善はボトムアップというハイブリッド型が理想的です。

組織の階層とフラット化のバランス

  • フラットな組織:意思決定のスピードが上がり、柔軟な対応が可能
  • ヒエラルキー型組織:指示系統が明確で、管理がしやすい

小規模な組織やスタートアップではフラット型、大規模企業ではヒエラルキー型が適しています。しかし、フラットにしすぎると責任の所在が不明確になり、逆に管理が難しくなることもあるので、バランスが重要です。


人の最大出力を引き出す動機づけ設計(Motivation)

戦略を実行する機能が整っていても、組織の中で働く人々がモチベーションを持って取り組めなければ成果は上がりません。ここでは、人がパフォーマンスを最大化できる環境を整えるための設計が求められます。

責任と権限の一致

責任を持たせるならば、それに見合う権限を与えなければなりません。例えば、店長に売上目標の責任を課すのであれば、価格設定や人材採用の権限も持たせるべきです。

責任と権限の不一致が引き起こす問題:

  • 責任だけ重い(決定権なし):ストレスが増え、無力感が生じる
  • 権限だけ強い(責任なし):無責任な意思決定が増え、組織が迷走する

評価・報酬制度の最適化

「評価制度が不透明」 「努力が報われない」 という状態では、人は本気で働きません。

評価基準の明確化

  • 成果主義(売上や成果で評価)
  • プロセス重視(努力や行動の質で評価)

単に数字だけで評価するのではなく、「どのように成果を出したか」も評価対象にすることで、組織全体の健全性を保つことができます。

キャリアパスの明確化

「この会社で成長できるのか?」が分からなければ、優秀な人材は離れてしまいます。

キャリアステップの例

  • 新人 → チームリーダー → マネージャー → 部長
  • 店舗スタッフ → 店長 → エリアマネージャー → 経営層

明確なキャリアパスを示すことで、従業員は長期的に会社に貢献しようという意欲を持ちます。


まとめ

組織のパフォーマンスを最大化するためには、「戦略実行のための機能設計」「人の最大出力を引き出す動機づけ設計」 の両輪が必要です。この2つのレイヤーがうまく噛み合うことで、組織は戦略を実行し、最大の成果を生み出すことができるのです。

組織設計は一度作れば終わりではなく、状況に応じて進化させていくもの。ぜひ、自社の組織がこの2つの観点から最適化されているか、今一度チェックしてみてください。組織設計に関して、伴走が必要な場合や何かご不安に感じる点がある場合はお気軽にお問い合わせください。

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